東宝映像/カラー・シネマスコープ/83分
昭和50年3月15日公開
(同時上映「新八犬伝」「アグネスからの贈りもの」「アルプスの少女ハイジ」「はじめ人間ギャートルズ」「サザエさん」)
(解説)
──インターポール(国際警察)の依頼で海中に沈んだメカゴジラの残骸を捜索中だった海洋開発研究所の潜水調査船〈あかつき〉が何者かに破壊され、乗組員全員が行方不明となった。最後の通信に「恐龍」という言葉が残されていたことから、調査に乗り出した海洋生物学者の一之瀬と村越捜査官は、かつて恐龍を発見し、意のままにコントロールする研究をしていたとして学会を追放された真船博士の存在を突き止める。
その頃、母星滅亡の危機を逃れて地球に移住しようとするブラックホール第3惑星人は天城山中に秘密基地を建設。動物コントロール装置を開発した真船博士と娘・桂の復讐心を利用し、修復改造したメカゴジラ2号と桂が操る水棲恐龍チタノザウルスを使って再び攻撃を開始しようとしていた!
前年にゴジラ誕生20周年記念映画として製作された「ゴジラ対メカゴジラ」(福田純監督)に続くメカゴジラシリーズ第2弾=B当時シナリオセンターの受講生だった高山由紀子(のち脚本家、映画監督)の脚本をもとに、5年ぶりに劇場映画に復帰した本多監督が改稿を重ねて映像化。人間を憎み、自分の研究を使って復讐しようとする真船博士と、その娘で侵略宇宙人によってサイボーグにされてしまった桂の悲劇を通じて『ゴジラ』以来のテーマである科学と人間の在り方≠改めて問い直した力作である。
本多監督同様、久々に特撮映画を手がけた伊福部昭の音楽に加え、予算等の関係で省略されることが多かった大がかりな都市破壊描写と住民の避難シーン、ライブフィルムを交えた防衛隊の攻撃シーンも繰り広げられ、全編に本格怪獣映画の魅力が横溢。中野昭慶特技監督が前作に引き続いて腕を奮い、海に陸に変幻自在の暴れぶりをみせるチタノザウルスと移動要塞のようなメカゴジラ2号の動きを対比させ、頭部をもぎ取られてもなお攻撃を続けるメカゴジラ2号など数々の名場面を作り出した。
「ゴジラ」の芹沢博士とは正反対のマッド・サイエンティスト、真船役を熱演した平田昭彦と、これがデビュー作の桂役・藍とも子
あかつき乗組員を奴隷にし、ミスを犯した仲間を容赦なく処刑する冷酷なブラックホール第3惑星人。前作に登場した際とは設定がやや異なっている
前作「ゴジラ対メカゴジラ」に主演した大門正明が特別出演。あかつきで指揮を執るインターポール捜査官・草刈を演じている
チタノザウルス撃退の切り札である超音波発生装置を破壊した桂が村越たちに追跡されるシーンのロケ風景
子供たちの危機に駆けつけたゴジラは、回転ミサイルで街を根こそぎ破壊するメカゴジラ2号と尻尾で強風を巻き起こすチタノザウルスに立ち向かう
出演
佐々木勝彦
藍とも子
平田昭彦
中丸忠雄
睦五郎
伊吹徹
内田勝正
佐原健二
六本木真
麻理とも恵
富田浩太郎
大門正明
沢村いき雄
鈴木和夫
守田比呂也
小川安三
河合徹
森一成
二家本辰巳
他
東宝撮影所の中庭にあった噴水にてスタッフ、キャストの記念写真
メカゴジラの作動装置にされた桂が一之瀬(佐々木勝彦)の前で人間の心を取り戻すクライマックスシーンの演出風景
一之瀬が村越と共に真船邸を訪ね、桂と出会うシーンを演出中の本多監督。怪獣バトルとラブストーリーが同時進行するのも本多作品ならではの見どころだ