【1971(昭和46)年12月5日〜1972(昭和47)年11月26日
フジテレビ系/毎週日曜19:00〜19:30/カラー・全51回】
●出演者
石田信之、和崎俊哉、工藤堅太郎、沢井孝子、杉山元、市地洋子、藏忠芳、村上不二夫、宇佐美淳也、ミラーマン:西条満、ナレーター:浦野光
(解説)
70年代前半の変身ブーム(第二次怪獣ブーム)の一翼を担った特撮SFアクション。鏡の世界から来た二次元人の父と人間の母親の間に生まれた主人公・鏡京太郎が、ミラーマンに変身して正体不明のインベーダーに立ち向かう。先行するウルトラシリーズとは異なる世界観とヒーロー像を打ち出した円谷プロの意欲作で、本多監督は主要登場人物と設定の紹介編となる第1、2話を演出。シリーズ初期のシリアスでダークなムードを作り上げた。
第1話「ミラーマン誕生」(昭和46年12月5日放送)
1980年代、地球は重大な危機に直面していた。国際的な宇宙物理学の権威・御手洗博士はこの日の来ることを予感し、村上チーフら4人のメンバーを集めて民間の科学防衛組織「SGM」を設立、各地で頻発する怪現象の対策に乗り出した。一方、博士が親代わりを務める青年・鏡京太郎は新聞社のカメラマンとしてSGMにも協力していたが、大竜巻に襲われた災害現場で怪しい男の姿をフィルムに収めた。地球侵略をもくろむインベーダーの暗躍はすでに始まっていたのだ。御手洗博士から自分の正体を明かされた京太郎は、衝撃を受けつつも父譲りのミラーマンの力を使ってインベーダーと戦うことを決意する……。
羽根を広げた天使にも見えるスケルトンの宇宙船や、インベーダーが変身する異次元怪獣(鋼鉄竜アイアン)の斬新なデザイン&造形が魅力的な導入編。SGM(サイエンス・ガード・メンバー)の活動とメンバーを簡潔に紹介したナレーションは演出段階で加えられたものである。
第2話「侵略者は隣りにいる」(昭和46年12月12日放送)
SGMの依頼で特殊レーダーを開発していた石井博士が車もろとも爆殺されるという事件が起きた。同じ頃、博士の妹で京太郎やSGMのメンバー・野村由起の友人である玲子は、自分が住む高層マンションの異変に気づく。いつの間にか最上階の入居者たちが次々と立ち退き、残っている隣人も別人のように雰囲気が変わっていた。謎のインベーダーはSGMのレーダー計画を妨害すると同時に、このマンションを地球侵略の前進基地にしようと企んでいたのだ!
壁に溶け込んで姿を隠すサングラス姿の怪しい男女、深夜に窓の外を行き過ぎる宇宙船など、特撮と連動して日常が侵食されていく不気味さを醸し出す描写が印象的。マンションにやってきたSGMのメンバーを警備員が呼び止めるといった、リアルさを心がけた本多監督らしい律儀な演出も見られる。