東宝/カラー・東宝スコープ/89分
4月29日公開
(同時上映「蟻地獄作戦」)
(解説)
――台風一過の静之浦に出現した巨大な卵。それはインファント島から流れ着いたモスラの卵だった。悪徳興行師の熊山と、その黒幕である実業家・虎畑は欲に目がくらんだ地元民から卵を買い取り、新たに建設するレジャーセンターの目玉にして大儲けしようと企んでいた。
正義感あふれる毎朝新聞の酒井記者と新米カメラマンの純子、生物学者の三浦博士は双子の小美人に協力し、熊山たちから卵を取り返そうとする。その頃、倉田浜干拓地からゴジラが出現し、手当たり次第に破壊しながら進撃を開始した!
「キングコング対ゴジラ」に続くゴジラ対決シリーズの2作目。
憎々しいゴジラと、美しくけなげなモスラ親子の戦いという勧善懲悪の構図を、人間ドラマにも反映させたストレートな娯楽作品だが、核実験の被害者であるインファント島の守り神モスラが人類全体の救世主となって命がけでゴジラに立ち向かう姿、その信頼に応えようとする主人公たちの決意に本多監督の平和への願いが見て取れる。
また、欲望で身を滅ぼす熊山と虎畑の末路はファミリー向けの怪獣映画としては異例にハードな描写。後の「キングコングの逆襲」におけるドクター・フーの最期とも共通する演出に、「大人向け、子供向けの区別を意識したことはない」と語っていた本多監督の手抜きのない姿勢が示されている。
ゴジラを食い止めるため、酒井(宝田明)、純子(星由里子)、三浦博士(小泉博)はインファント島の人々に助けを求める
ゴジラ攻撃を指揮する移動対策本部の本部長(藤田進)と幕僚たちを演出する本多監督
成虫モスラとゴジラの戦いを見守る酒井たち。卵好きの同僚・中村(藤木悠)の姿も見える
酒井たちが浜風ホテルで成虫モスラを目撃するシーンの打ち合わせをする本多監督と円谷特技監督
悪役コンビの虎畑(佐原健二)と熊山(田島義文)を演出中。対照的なキャラクターを演じる二人のやりとりも見どころ
静之浦に漂着した巨大な卵をめぐって地元の人々は騒然。そこに熊山たちが目を付けた
出演
宝田明
星由里子
小泉博
ザ・ピーナッツ
藤木悠
佐原健二
田島義文
田崎潤
藤田進
小杉義男
谷晃
沢村いき雄
中山豊
田武謙三
山本廉
野村浩三
津田光男
堤康久
大村千吉
八代美紀
劇団あすなろ
手塚勝巳
中島春雄
他
小美人用に作られた巨大セット(浜風ホテルの虎畑の部屋)にて、小美人役のザ・ピーナッツと
卵が割れて双子の幼虫が誕生するシーンの演出風景。物語の進行と共に酒井と純子の距離が縮まっていく点に注目
卵をよみがえらせようと、小美人の祈りの歌にのせて踊るインファント島の人々
名古屋市街のオープンセットで撮影された、スタッフとキャストの完成記念写