広島と、長崎に落とされた原爆。人類をいとも簡単に破滅させてしまう恐ろしい核兵器。 人類はその恐ろしさを知っているはずなのに核実験は行われ、日本の漁船第五福竜丸が被爆した。なぜ? 八年の戦争経験、そして復員途中で見た広島、覆い被さる恐怖感。 G作品を通じて表現出来ないか、娯楽映画の中、誰も試みた事のない怪獣映画、不安の中で真剣に取り組む。 作る側の真剣な気持ちがあれば怪獣映画でも成功する。そして、必ずや理解してもらえる。 怪獣映画というジャンルを開拓した記念碑的作品。以後、特殊技術の円谷英二とのコンビネーションによる作品が本多監督の中心となっていく。 ――各国が原水爆実験を続ける世界情勢下で、日本近海では謎の海難事故が続いていた。 政府は調査団を大戸島へと派遣するが、古生物学者の山根博士はそこでジュラ紀の恐竜が原水爆の影響で巨大化した怪獣と遭遇する。 島の伝説に基づいて“ゴジラ”と命名されたその怪獣は、ようやく敗戦から復興に向かいつつあった首都東京へとその針路を向けた。 いかなる兵器もゴジラには有効ではなく、夜の都心は炎に包まれていく……。 本多監督は、この圧巻のスペクタクル映画を徹底したリアリズムに基づく確かな人間描写で支えている。