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港へ来た男 The Man Who Came to Port
The Man Who Came to Port (1952)

港へ来た男

東宝/モノクロ・スタンダード/89分
昭和27年11月27日公開

製作
田中友幸
原作
梶野悳三「躍れよ怒涛」
脚本
成沢昌茂
本多猪四郎
監督
本多猪四郎
撮影
完倉泰一
美術
北辰雄
録音
藤好昌生
照明
森茂
音楽
斉藤一郎
監督助手
福田純
特殊技術
東宝技術部
港へ来た男港へ来た男

監督第三作品、また海に戻った監督、大自然と人間の戦い、其処に古い者と新しい者、男と女の物語が展開して行く。
”船乗りに理屈は要らない、経験だけが物を言うだけだ”と言う頑固者の老船乗り、インテリではあるが酒癖が悪いちょっとバンカラな若い船乗り。

(解説)
捕鯨基地のある金華山近くの港に現れた一人の男。捕鯨船・天洋丸の新しい乗組員で、商船学校出の若い運転士・新沼五郎である。
新沼は日本一の鯨獲りといわれる昔気質の船長・岡部を尊敬していたが、その理不尽なほど頑固な態度にはついていけず、ある晩、酔った勢いで殴ってしまう。
その事件後、会社の配慮で新沼が富久丸の船長になったことから一層ライバル心を燃やした岡部は、捕鯨道徳を無視して富久丸が追う鯨を横取りし、双方の船員たちが乱闘する騒ぎに発展。
だが、それは逆に海の男たちの絆を深めることになった。悪天候のなか無理に出港した天洋丸が座礁した時、命がけの救出に向かったのは新沼たちであった。

「ジャコ万と鉄」の原作者による海洋小説の映画化。
捕鯨船の上でぶつかり合う男と男のプライド、料亭の看板娘をめぐる恋のさや当て、岡部とその息子・信吾の確執と和解など、ドラマチックな要素が満載。主演の顔ぶれも含めて黒澤映画のような硬派の内容だが、キャラクターが一様に善意の持ち主なのが本多作品らしいところ。
ダイナミックな捕鯨シーンは、ドキュメンタリーの素材として撮影されたフィルムを、スクリーン・プロセスなどを使って本編に組み入れたもの。クライマックスの遭難・救助シーンでは、円谷英二が指揮を執った捕鯨船のミニチュアワークが見せ場を作り出している。


港へ来た男

主人公・新沼役の三船敏郎と本多監督。三船はほかに「太平洋の鷲」「この二人に幸あれ」にも出演

港へ来た男

ヒロインの園子が働いている料亭「喜楽」のセットで演出中の本多監督

港へ来た男

園子を演じる久慈あさみと。宝塚出身の久慈は社長シリーズ、若大将シリーズなどで活躍した

出演

三船敏郎
久慈あさみ
志村喬
小泉博
田代百合子
左卜全
藤原釜足
富田仲次郎
恩田清二郎
今泉廉
菅井きん
堺左千夫
大村千吉
山本廉
谷晃
馬野都留子
出雲八重子
近藤宏
広瀬正一

港へ来た男

新沼が銛を発射するシーンのスクリーン・プロセスを使った撮影風景

港へ来た男

マストの監視台に上った三船敏郎と撮影中の本多監督らスタッフ

港へ来た男

新沼のもとで見習い船員となった信吾(小泉博)は、自分の母親を捨てた岡部を憎んでいた

港へ来た男

強引な岡部に言い寄られていた園子は、生真面目で純情な新沼に惹かれるものを感じる


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